逸失利益とは

逸失利益とは、不法行為がなければ被害者が得られたであろう経済的利益を失ったことによる損害を意味します。逸失利益の算定については、「差額説」と「労働能力喪失説」という考え方があります。「差額説」とは、交通事故がなければ被害者が得られたであろう現金収入と、交通事故後、現実に得られる収入の差額を損害と考えるものです。「労働能力喪失説」とは、交通事故による死傷によって、労働能力が全部又は一部喪失したことを財産的損害とみて損害額の算定を行う考え方です。

「差額説」と「労働能力喪失説」の違いは、労働能力は喪失したものの、実際の収入が減少することはないような場合です。具体的には、専業主婦や学生等が交通事故の被害者になった場合に、違いが生じます。判例は、基本的に「差額説」に依拠しているといわれていますが、専業主婦や学生の方が交通事故の被害にあったとしても、柔軟な対応をしております。