ライプニッツ係数とは、逸失利益を算定する際に、就労可能年数に応じた中間利息を控除するために定められている係数です(逸失利益の算定方法については「逸失利益」のページをご参照ください。)。逸失利益について中間利息を控除する理由は、将来のお金と現在のお金では、同じ金額であっても、後者の方が価値が高いと考えているからです。これは、銀行でお金を借りた場合に利息がつくのと同様の理由です。つまり、逸失利益は交通事故に遭わなければ得たであろう将来の利益ですから、それを現在受け取る場合には、将来受け取るよりも利息分の利益を得ていることになりますので、その利息分を控除しようというわけです。
中間利息の控除率について、最高裁の判例(平成17年6月14日判タ1185・109)は年5%としています。
中間利息を控除する計算式としてはライプニッツ式とホフマン式があり、最高裁はいずれも不合理ではないとしていますが、東京地裁においてはライプニッツ式が採用されており、平成12年1月1日以後に口頭弁論を終結した事件については、大阪地裁及び名古屋地裁もライプニッツ式を採用しています(平成11年11月22日の三地方裁判所共同提言)。
したがって、ライプニッツ式によって算定されたライプニッツ係数を用いて中間利息を控除するというのが現在の実務の大勢といえるでしょう。