まず、出向命令に労働契約上の根拠があるか確認する必要があります。就業規則や労働協約、労働契約時の会社の説明内容、前例の有無等を確認します。
1.出向命令権の根拠規定がある場合強行法規違反や権利濫用の有無についての確認が必要です。ここでは特に使用者(出向元)の真の意図が重要となるため、出向の業務上の必要性、人選理由、出向先の労働条件などを使用者(出向元)に具体的に質問し、従業員の不利益と比較衡量して、権利の濫用になるがどうかを判断します。
また、ただちに法令違反や権利濫用とはいえないような場合でも、出向に応じられない理由や不利益となる事情を使用者側に伝え、再考を求めるべきです。
2.出向命令権の根拠がなく、または法令違反や権利濫用がある場合出向命令は無効なので従う必要はありません。使用者側(出向元)に出向命令の撤回を求めましょう。もっとも、出向命令が強行された場合は仮処分や訴訟を起こすことになります。