交通関係事犯とは、一般に、自動車運転にかかる犯罪のことを意味し、具体的には、(1)道路交通法違反、(2)業務上過失致死傷罪(刑法211条)、(3)危険運転致死傷罪(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)等の犯罪を意味します。
●道路交通法違反の罪
故意に違反行為を行った場合のほか、過失によって違反行為を行った場合にも成立します。当然、故意に違反行為を行った方が、過失により違反行為を行った場合より、法定刑は重くなっております。
●業務上過失致死傷罪
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処するものとされています。過失により、交通事故を起こして人を死傷させたようなケースでは、多くの場合本罪が適用されます。
●危険運転致死傷罪
危険運転行為を行い、その結果、人を負傷させた場合は15年以下の懲役、人を死亡させた場合は1年以上の有期懲役に処するとされます。本罪の成立に当たっては、危険運転行為について、故意に行う必要があります。
交通事故の加害者になったとき交通事故の加害者には、だれもがなり得るものといえます。その意味で、交通事犯の加害者とならないように、日常生活において、車の運転には十分注意する必要があります。もっとも、十分注意したにもかかわらず、不幸にも交通事故の加害者になってしまった場合、厳しい刑事責任を問われることのないように、最善の弁護方針を打ち立てていく必要があります。
特に、被害者が死亡してしまった場合、運転者である加害者は逮捕・勾留されることになり、最大23日間身柄を拘束されて、取調べを受けることになります。実際には、被害者が死亡してしまった事案では、逮捕・勾留される可能性が高いと理解しておいて間違いはないでしょう。