裁判員裁判の合議体は、3人の裁判官と6人の一般市民による裁判員によって構成されます。裁判員は、裁判官と一緒に、刑事事件の法廷(公判)に立ち会い、判決まで関与することになります。
公判では、証拠書類を取り調べるほか、証人や被告人に対する質問が行われます。裁判員から、証人等に質問することもできます。 証拠調べ後は、裁判員は裁判官と共に、事実を認定し、被告人が有罪か無罪か、有罪だとしたらどんな刑にするべきかを、裁判官と一緒に議論し(評議)、決定する(評決)ことになります。評決は、合議体の員数の過半数によります。ただし、裁判員だけによる意見では、被告人を有罪にすることはできず、少なくとも裁判官1人が有罪の意見を表明していることが必要です 。
裁判員裁判の対象事件は、まず、(1)法定刑に死刑又は無期の懲役若しくは禁固が含まれている事件です。たとえば、殺人罪の法定刑は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役であり、死刑、無期の懲役が含まれていますから、裁判員裁判の対象事件になります。
次に、(2)短期1年以上の懲役若しくは禁固に当たる事件であって、故意の犯罪行為により被害者を死亡させたものについてです。たとえば、傷害致死罪の法定刑は、3年以上の有期懲役であり、短期1年以上の懲役に当たる事件であって、しかも故意の犯罪行為により被害者を死亡させたものですから、裁判員裁判の対象事件になります。